こんにちは!


寒くなったり暖かくなったり、なかなか読めない気候が続きますね。


さて、今回はお腹の臓器の一つである「副腎」についてのお話です。


あまり聞かない言葉だと思いますが、わんちゃん・猫ちゃん、そして我々人にもある臓器です。


犬猫の場合、副腎は腎臓の内側に位置し、左右に1つずつあります。

超音波検査でみた正常な左の副腎。形がピーナッツに似てますね。


体格にもよりますが、副腎は3-7mmほどの小さな臓器で、以下のホルモンを分泌して常に身体を支えています。

●コルチゾールの分泌
 血圧の調整、血糖の調整など

●アルドステロンの分泌
 血圧の調整、血中の塩分や電解質の調整など

●アドレナリン・ノルアドレナリンの分泌
 血圧や脈拍の調整など



副腎に関わる病気もいくつかあり、中でも代表的なものが、犬の「副腎皮質機能亢進症」というものです。クッシング症候群とも言われます。


この病気は、副腎から分泌される「コルチゾールが過剰」になり、以下のように身体に様々な影響を及ぼします。


・多飲多尿(水を過剰に飲んで、薄い尿を大量に出す)
・腹囲膨満
・運動不耐性
・パンティング(いつも息が荒い)
・免疫力低下
・膿皮症・脱毛などの皮膚異常
・血栓症リスクの増加   など

とくに代表的なのが多飲多尿で、わんちゃんの生活の質が落ちていきます。

クッシング症候群が疑われる時は、血液検査・尿検査・超音波検査などを組み合わせて診断していきます。


コルチゾール分泌が過剰になってしまう原因には、副腎の問題(腫瘍、過形成)や、分泌の司令元である脳の問題、などがあります。


クッシング症候群と診断されれば、その原因にもとづいて治療をしていくことになります。多くは内服薬による治療になります。


わんちゃんの生活の質を向上させることも治療目的の一つです。




もし気になる症状があれば、早めにご相談くださいね!