みなさんこんにちは!
秋らしさを肌で感じるようになってきましたね。
さて今回は「麻酔と手術」のお話ですが、とくに「高齢の子」についてです。
犬では7.8歳、猫では10歳くらいを超えてくるとシニア期に入り、高齢になるとなにかしらの疾患で麻酔が必要になることがあります。
「高齢で麻酔って大丈夫なの?」「麻酔が必要なら治療したくない」というように、ご家族のみなさんも麻酔に対して怖いイメージを抱いているように見受けられます。
逆に、「高齢だけどなんとかしてあげたい」「麻酔が大丈夫なら治療を受けたい」というようなご意見も多く耳にします。
麻酔・手術関連のセカンドオピニオンで当院を受診される方もいます。
各病院によって方針は異なりますが、当院では麻酔治療を年齢で区切ることはしておりません。
若齢の子も高齢の子も、その子その子の状態をきちんと評価して麻酔がかけられるかを判断していきます。
総合的に麻酔リスクが低いと判断した場合は、ご相談の上で麻酔治療を行なっていきます。
麻酔前の評価として、具体的には主に以下の項目を確認します。
①今現在の状態 →元気・食欲などがあるか。呼吸状態は正常か。痩せすぎたり太りすぎたりしてないか
②基礎疾患の状態 →腎臓病・心臓病・ホルモン病などがある場合、どのステージなのか、良好にコントロールされているか
③術前検査の評価 → 身体検査、血液検査、レントゲン、エコー 、尿検査、心電図などで異常がないか
上記の項目を総合的に評価して「麻酔リスク」を判断していきます。
上記の項目で異常がある場合はもちろん麻酔リスクが高くなるので、その旨を説明して麻酔治療をするかご家族の方と相談していきます。
実際の麻酔時では、術中・術後と本人への負担をできるだけ少なくするように 細心の注意を払って進めております。 とりわけ鎮痛剤においては作用の異なるものを組み合わせて使用しており(マルチモーダル鎮痛)、可能な限り痛みを伴わない手術を心がけています。
当院ではシニアの子の麻酔治療もこれまで多く行ってきましたので、麻酔を伴う治療を迷われているご家族の方は遠慮なくご相談ください。
次回は高齢の子の実際の麻酔治療をご紹介したいと思います。
