みなさんこんにちは!
猛暑が続きますね、体調には十分気をつけてまいりましょう。
さて、今回は猫ちゃんの胃にできる腫瘍のお話です。
胃にも腫瘍が発生することはあり、しばしば悪性なので注意が必要です。
当院での治療をご紹介しながらご説明します。
この猫ちゃんは15歳の雄の子で、もともと慢性腎臓病の点滴で通院していました。
その検診時に超音波(エコー)検査を行った際、胃の内側に「しこり」が見つかりました。
しこりは胃の内側に隠れている為、細胞診検査(細い針をしこりに刺して細胞を採る検査)は正確性に欠けます。
よって、しこりが悪いもの(悪性腫瘍)なのかどうかは、外科切除して病理組織検査を行う必要があります。
猫ちゃんの胃にできる悪性腫瘍で代表的なものは、「リンパ腫」「腺癌」「肉腫」「肥満細胞腫」です。
治療の厄介なタイプが多いです。
ご家族とご相談し、しこりの精査と治療を目的に、外科手術で切除することになりました。
手術の所見です。
数日の点滴と食事管理を行い、無事に退院しました。
消化管の手術の為、退院後もごはんの管理には注意を要しますが、ご家族の方と協力しながら進めていき、1週間ほどで通常のごはんに戻していきます。
切除したしこりは病理組織診断で「低悪性度胃癌」ということがわかりました。
これは、悪性腫瘍の胃癌ではあるものの、悪性度は低く、今回の完全切除で根治が見込めるというものでした。
よって、胃に対する治療もこれで終了となり、一安心です。
腫瘍の種類によっては化学療法(抗がん剤治療)などを行うこともあるため、病理組織診断をもとにご家族の方と相談していくことになります。
悪性腫瘍とはいっても、今回のように早めの発見と治療で根治が見込める場合もあります。
定期的に検診をしながらサポートできるといいですね!
気になることがあれば遠慮なくご相談ください。