こんにちは、院長の田中です。

今年の夏は長雨で大変でしたね。10月からはスッキリ晴れて秋らしくなってきました!

さて今回は猫ちゃんの結石のお話です。

猫ちゃんのおしっこ問題、とくに結石は誰でも何歳でも発生しうる問題ですので注意が必要です。

当院での治療をご紹介しながら見ていきましょう。

< 2歳・避妊雌・ミヌエット > 

「以前からトイレではないところで排尿してしまうことが多くなった」ということで来院されました。 

元気食欲は問題ないとのことでしたが、ご相談の上で検査を進めていくと、腎臓・尿管・膀胱に結石が認められました。

排尿異常は泌尿器疾患のサインになることがよくあります。

超音波検査とレントゲン画像です。

↓ 注目ポイント

   

腎盂拡張も軽度見られ、さらに血液検査では腎臓の数値が少し上昇していたので、尿管結石が部分的に閉塞して腎機能が落ち始めていると考えられました。

今後尿管結石が完全に閉塞してしまうと腎機能も一気に悪化していくことが予想され、ご相談の上で外科的に結石を摘出することになりました。

治療優先度的に尿管結石と膀胱結石を摘出しますが、とくに尿管は細くて非常に繊細な手術となり、術後に炎症などで再閉塞するといった合併症にも注意が必要です。

以下、手術所見が苦手な方は飛ばして読んでくださいね。

   

まずは尿管結石です。

   

   

  

次に膀胱結石です。

    

  

以下、摘出できた結石です

  

    

術後、腎臓の数値も改善し、排尿にも問題は認められず、数日の入院を経て無事に退院できました。

結石分析の結果、ほぼシュウ酸カルシウムであることがわかりました。

今後はできる限り再発を防ぐために結石対策の療法食を食べたり、水分摂取を積極的にしていきます。

一方で、腎臓にある結石に関しては、腎臓を切開して摘出する方法もあるのですが、腎臓への負担が非常に大きく一般的な手術ではありません。

腎結石があること自体は大きな問題になることは少ないのですが、今回のように「尿管へ落ちて閉塞する」と命に関わる問題になります。

そして膀胱結石は、繰り返す膀胱炎・血尿・感染・尿道閉塞のリスクを伴うため早期の治療が望まれます。

したがって腎結石は定期検診をしつつ、尿管結石や膀胱結石は早めの治療を要します。

また尿管結石の治療は、尿管切開による摘出だけでなく、SUBシステムやステントによる方法もあります。

結石の個数や位置、また本人の状態などによって最善の方法を決めていきます(上記は特殊な機器が必要なため他施設をご紹介する場合があります)

膀胱や尿管結石は若くても発生することがあるため、排尿異常などがあれば早めの受診で確認してみましょう。