みなさんこんにちは!
今年も引き続きよろしくお願い致します。
さて、今年の最初のテーマは歯周病治療です。
昨年も多くの子の歯周病治療を行いましたが、どのような治療かを一部ご紹介したいと思います。
治療を悩んでるご家族の方にも参考になれば幸いです。
<原因・症状>
歯石・歯垢に伴う細菌感染で炎症が起き、赤み、出血、口臭などを引き起こします。
炎症が重度になると歯を支えている歯茎や骨が溶けていき、歯が抜け落ちます。
歯周病は各臓器に悪影響を与え、全身的に状態が落ちる場合もあるので注意が必要です。
とりわけ大きな歯(犬歯・第四前臼歯)は鼻や眼下にも膿がたまることがあり、一般状態の悪化にも繋がります。
<治療>
●デンタルケア
全ての子が対象で、とくに歯磨きが重要です。
ただし、歯周病が進行している子は効果が乏しいことがあります。
●歯科治療
麻酔下で行う歯科処置で、歯周病を根治的に治療することを目的とします。
歯の状態を1本ずつ評価し、全ての歯石・歯垢を除去します。
歯周ポケットを洗浄して最後に歯のコーティングを行います。
歯周病が重度の歯に関しては抜歯を行い、よく洗浄をした後に縫合(フラップ術)をします。
実際の治療をご紹介します。
●犬歯が歯周病重度で、抜歯・フラップ術を行った子
●第四前臼歯が歯周病重度で、抜歯・フラップ術を行った子
●第四前臼歯周辺が歯周病重度で、抜歯・フラップ術を行った子
●長年硬い物を噛んだ影響で、第四前臼歯が大きくすり減り、神経が露出し炎症が生じた子。
抜歯・フラップ術を実施
以上のように、歯周病が重度な部分はきちんと抜歯をして縫合を行います。
術後は抜歯の違和感が数日残る子もいますが、基本的には問題なく食べられます。
歯科治療は全身麻酔での処置ということもあり、全身麻酔に抵抗があるご家族の方も多いかと思われます。
以前のブログにも詳しく記載しましたが、当院では麻酔治療の前には必ず「術前検査」を別日で行い、その子その子の麻酔評価を行います。
実際の麻酔処置でも細心の注意を払い麻酔管理を行います。
処置で予想される痛みも考慮し鎮痛剤を適切に使用しますので、ほとんどの子が翌日から食べ始めてくれます。
麻酔リスクが高いと考えられる子は、検査の時点で必ずご相談をし、延期する場合もあります。
また、「無麻酔」の歯科治療は犬猫にトラウマや痛みを与えるケースが多く、さらに最も重要な「歯周ポケットの治療」ができないため推奨いたしません(当院では実施しておりません)。
ワンちゃん猫ちゃんにとって意義のある治療をしていきたいと思っております。
治療を悩んでいる方はいつでも遠慮なくご相談くださいね。